「エンタメ革靴ブログ」を運営しているエイジングマニアの『ジン』です。
「革靴で人生を楽しむ!」という想いで、日々革靴の楽しさを追究しています!
私の経験を発信することによって、喜んでくれる人がいたら嬉しいです♪
今回のエンタメポイント!
今回のテーマは「靴クリーム」です♪
靴クリームってホントにたくさんありますよね。
どれを選べばいいのかわからない((>_<)
だから、何となく選んでいるという方が多いのではないでしょうか。
少なくとも、私は何となく選んでました(;^_^A
そこで、
今回は、黒の靴クリームを徹底比較し、商品別の「違い」を浮き彫りにしていきたいと思います!
・靴クリームは種類がたくさんありすぎて混乱している
・靴によってクリームを変えてみたいけど、違いが分からない
・今使っている靴クリームが自分の好みなのかどうか心配
こんな悩みを抱えている方のご参考になれば嬉しいです!
靴クリーム検証では、人気6種類のクリームの「補色(着色力)」「ツヤ(光沢感)」「伸び(塗りやすさ)」「浸透(保革力)」の4点に焦点を当てて検証していきます。
それではさっそく、始めましょう♪
今回比較するクリーム
①ブートブラック:ブラックライン
②ブートブラック:シルバーライン
③M.モゥブレィ:シュークリームジャー
⓸TARRAGO(タラゴ):シュークリーム
⓹サフィール:ビーズワックスファインクリーム
⓺サフィールノワール:クレム1925
靴クリーム検証開始!
それでは、検証を開始していきます!
検証項目は4項目
①補色・・・革靴に色を付ける力
②ツヤ・・・革靴に光沢感を与える力
③伸び・・・革靴に素早く薄くクリームを塗ることが出来る(靴磨き初心者には大切な要素)
⓸浸透・・・革靴に栄養成分をしみ込ませる力(保革力が上がり靴が長持ちする)
「百聞は一見に如かず」ということで、紙に6種類のクリームを塗って違いを見てみましょう!(^^)!
6種類のクリームは、すべて「ブラック」ですが、見ての通り色の濃さも、伸びも、色そのものもすべて異なります。
上記写真の見方を簡単にご説明します。
・左上のマルは、クリームをできるだけ濃く塗って、「補色(着色力)」を見るようにしました。
・右上のマルは、クリームをできるだけ薄く塗って、「黒の色味(寒色系/暖色系)」を調べました。
・下の横線は、クリームを伸ばすことで「伸び(塗りやすさ)」を測定しています。
・紙の裏側を見ることで「浸透」が分かります。
・全体の光沢を見ることで「ツヤ」を判断しました。
それでは、一つずつ靴クリームを評価していきたいと思います!
①ブートブラック:ブラックライン
◆見た目と触感
見た目
見た目は、チョコレートのようで「固形」なのかと思うほど水分が少なそう。
触感
触ってみると、やはり固形感を感じるほど固い!溶け始めのチョコぐらいか⁈これで靴に薄く素早く上手に塗れるだろうか?さすが玄人向けとメーカーが謳うだけのことはある。
◆検証4項目
①補色★★★★☆
②ツヤ★★★☆☆
③伸び★★☆☆☆
⓸浸透★★★☆☆
《感想》
・今回の靴クリームの中で最も固く、伸びが無かった。やはり靴磨き経験豊富な玄人向けだろう。
ただし、ナノ顔料色を使用しているからか、色の出方には高級感があり補色効果も高いので存在価値はある。
黒は、寒色系でも暖色系でもなく、リアルブラックというところも好感が持てる。
私ならベタッと黒くしたくないイタリア靴などはこのクリームを使いたい!
『フランチェスコべニーニョ』が、黒なのに妖しい色してるから、ブラックラインでさらに魅力を引き出したい。
また、茶靴でエイジングを楽しみたい場合もシルバーラインではなくこちらのブラックラインを使ってみたい。
相棒:『フランチェスコべニーニョ』に塗ってみた
<塗る前>全体的にやや色が抜けている
<塗った後>しっかりと黒が入って、高級感が増した
補色をして黒くなっているのに、自然な色むらはそのまま維持できている
~エドワードグリーンも認めた⁈~
▼ブートブラック ブラックライン▼
②ブートブラック:シルバーライン
◆見た目と触感
見た目
見た目は、漆黒。「ブラックラインと異なり」水分がとっても多そう。でも固そう。黒いニベアみたい。(そんな商品無いけど・・・)
触感
触ってみると、見た目より固め。ニベアより弾力があるので、伸びは期待できないか?
①補色★★★★★
②ツヤ★★☆☆☆
③伸び★★★☆☆
⓸浸透★★★☆☆
《感想》
・今回の靴クリームの中で最も黒い。黒は、よくみるとやや暖色系だが、漆黒という表現がぴったりのクリーム。
顔料を工夫しているのか、着色力がダントツで高いことが最大の魅力。(補色は★6つくらいのイメージ)
私なら、長年履いて少し色が抜けてしまった靴にビシッと漆黒を入れる様な使い方をしてみたい。
今眠っている『ボリーニ』にビシッと入れて変化を見てみたい♪
また、色むらを出したくない場合は、シルバーラインの着色力が威力を発揮するだろう。
相棒:『ボリーニ』に塗ってみた
<塗る前>20年前の靴でメンテも不足気味だから、完全に色が抜けている
<塗った後>まさに漆黒。皺も目立たなくなり、キレイに色が入りました。
~補色力は抜群~
▼ブートブラック シルバーライン▼
③M.モゥブレイ:シュークリームジャー
◆見た目と触感
見た目
見た目は、ネイビー?というくらい青黒い。プルプルッとしたジャムみたいで水分がとっても多そう。
触感
触ってみると、見た目通り柔らかい。すごく栄養分が浸透しそうで革に良さそう。
①補色★★☆☆☆
②ツヤ★★★☆☆
③伸び★★★★★
⓸浸透★★★★★
《感想》
・今回の靴クリームの中では、クリームを塗った後の変化が最も少ないクリームだろう。
靴磨きを「靴をきれいにする」という観点で考えたら、このクリームの魅力は見えてこない。
もともと「メルト二アン」というイギリス王室のロイヤルワラントを取得していたブランドの製法を継承したものなので悪いわけがない。
黒が明らかに青黒いのもイギリスの靴に合う。
このクリームの特徴は、伸びの良さと浸透力の高さであり、革にとって最も良いのが、このM.モゥブレイシュークリームジャーだろう。
長年使い続けて、革が喜び靴が長持ちするのが目に見えるようである。
私なら、通常のメンテナンスはこのクリームでケアしていきたい。
特に自然なエイジングを目指しているイギリスの靴である『トリッカーズ バートン』は、このクリームで育てたい。
相棒:『トリッカーズ バートン』に塗ってみた
<塗る前>雨の日に履くこともあるので、やや乾燥気味
<塗った後>ツヤは控えめだけど、革がシットリとしてイイ感じ
分かりますかね?このサラッとしているのにシットリしている感じ♪(比較するとやっぱりいい!)
~伝説の製法メルト二アンを引き継ぐエイジングクリーム~
▼「M.モゥブレィ」シュークリームジャー▼
⓸タラゴ:シュークリーム
◆見た目と触感
見た目
見た目は、モゥブレイほどではないが青黒い。プルプルしてるけど弾力はありそうでプリンみたい。
触感
触ってみると、固くはないがモゥブレイより弾力がある。
①補色★★★★★
②ツヤ★★★☆☆
③伸び★★★★☆
⓸浸透★★★★☆
《感想》
・今回の靴クリームの中でブートブラックと甲乙つけがたいほど黒く着色力も高い。黒は、青みがかった寒色系というのもシルバーラインと被らなくてよい。
日本における知名度は他のクリームより劣るが、元々染料会社ということで実力は折り紙付きだ。
伸びが良く浸透力も高い。非常に平均点が高いクリームである。
私なら、シルバーライン同様、長年履いて少し色が抜けてしまった靴にビシッと色を入れる様な使い方をしてみたい。
特にシルバーラインの黒さとは異なり、青みがかった黒なので、色が抜けたイギリス靴にはタラゴを塗ってみたい。
今のラインナップであれば『アルフレッドサージェント』あたりかな。
相棒:『アルフレッドサージェント』に塗ってみた
<塗る前>20年前以上前の靴かつ酷使していたので、色抜けもあるし、キズなど傷みが激しい
<塗った後>シワが目立たなくなり、小傷がだいぶ消えた
~着色力と浸透色がピカイチ~
▼タラゴシュークリーム▼
⓹サフィール:ビーズワックスファインクリーム
◆見た目と触感
見た目
見た目は黒い。青味は一切なくどちらかというと赤黒い。ワックスが多いからか黒に光沢感がある。
触感
触ってみると、やや固形感を感じるくらい固め。粘度があるという表現が適切かな。
①補色★★★★☆
②ツヤ★★★★☆
③伸び★★★☆☆
⓸浸透★★★★☆
《感想》
・非常にバランスが取れているクリームという結果になった。靴クリームとして求められる「補色」「ツヤ」「浸透力」を高い次元でクリアしている優れたクリームだと分かった。
黒は、赤みがかった暖色系の黒であるため、イギリス靴よりはイタリアやフランス、日本の靴に積極的に使いたい。
私なら、このクリームの柔らかな黒いツヤが、フォーマルな場にふさわしい(気がする)と考える。
そんな理由から、黒靴としての正統派ストレートチップは、このクリームを使ってみたい。
メイドインジャパンのストレートチップ『オリエンタル』に使ってみよう!
相棒:『オリエンタル』に塗ってみた
<塗る前>主力級の活躍をしているので、比較的メンテされているがどう変わるのか?
<塗った後>柔らかく上品なツヤ。固い黒というより、包容力のある黒。これはビジネスでウケるな!
~保革と美しさを兼ね備えるパーフェクトクリーム~
▼ビーズワックスファインクリーム▼
⓺サフィールノワール:クレム1925
◆見た目と触感
見た目
見た目は真っ黒。黒のキメが細かいのが見ただけででわかる。高級な黒。軟膏のように柔らかく塗りやすそう。
触感
触ってみると、他のクリームと比較し弾力が無く、まさに軟膏と同じ感触。
①補色★★★☆☆
②ツヤ★★★★★
③伸び★★★★☆
⓸浸透★★★★☆
《感想》
唯一の「油性クリーム」であったため、どんな違いがあるか楽しみであった。
結果は、「ツヤ」「伸び」「浸透力」とも非常に高かった。
意外だったのは、補色力が思ったほどなかったということ。
ただ、クレムだけが紙に油染みが出来ていたので、色の定着力は高いと思われる。
それゆえに、明るい色の革に使用するにはシミが出来ないように、目立たないところから塗るなどの注意が必要だろう。
黒は、まさに中間の「ザ・ブラック」。どんな靴にも対応できる懐の深さがある。
私なら、高い定着力を活かしてアンティーク仕上げのベースに使ったり、モゥブレイの後にこのクリームで仕上げてツヤを出したり、
ワックス仕上げの靴に対して、それ以外の部分に使うなど様々な使い方をしてみたい。
また、新しい靴に対して、革の魅力を最大限引き出すのにも有効だろう。
使うなら『J.M.WESTON ゴルフ』だな。
相棒:『J.M.WESTON ゴルフ』に塗ってみた
<塗る前>購入して半年なので、まだピカピカ
<塗った後>さすが油性クリーム。反則なくらいギラッとしたツヤが出た。つま先にワックスを乗せた靴にも合いそう
~靴磨きが楽しくなる油性クリーム~
▼クレム1925▼
まとめ
今回は、黒の靴クリームを徹底比較し、商品別の「違い」を浮き彫りにしてみました!
検証では、「補色」「伸び」「ツヤ」「浸透」の4点で見てきました。
結果としては、どのクリームにも個性的な強みがあり、活用の場があるということが分かりました。
ざっくりとまとめると
初心者が使いやすいのは、
・ブートブラック:シルバーライン ⇒ ビシッと色を付けたい
・M.モゥブレイ:シュークリームジャー ⇒ シューケア(保革)をしたい
・タラゴ:シュークリーム ⇒ 色も付けたいし、保革もしたい(ただし色数は少なめ)
慣れてきたら
・ブートブラック:ブラックライン ⇒ 高級な色付けをしたい
・サフィール:ビーズワックスファインクリーム ⇒ 上品なツヤを出したい
・サフィールノワール:クレム1925 ⇒ ビカッと光らせたい
肉には赤ワイン、魚には白ワインが合うように、
靴クリームも用途に合わせて使い分けると楽しいと思った次第です。(めんどくさいと感じる人は、もちろん使い分けなくてよいと思います・・・)
自分は、「靴クリームソムリエになろう!」そう誓い、さらなるエンターテイメントな革靴の世界にどっぷりと浸かっていきます(*´▽`*)
・靴クリームは種類がたくさんありすぎて混乱している
・靴によってクリームを変えてみたいけど、違いが分からない
・今使っている靴クリームが自分の好みなのかどうか心配
・靴クリームを靴によって使い分ける変態になりたい
こんなみなさまのご参考になったら嬉しいです!
それでは、また(@^^)/~~~。