革靴愛好者にとって、雨の日は我慢の日?
革靴マニアにとって、悩みが多いのは「雨の日に何を履くか?」ではないでしょうか。
以前の私は、雨の日は「履きたい靴が履けないネガティブな日」だと考えていたこともありました。
若い頃は、全く知識がなかったので、
「この靴は何となく雨が入りやすい。」
「こっちの靴は滑りやすい。」
「この靴は突然ソールが剥がれてダメになった・・・。」
など悩まされ続けていました。
しかし、今では、しっかりした知識を持ち、『雨を心待ちにしている自分』がいます。
その理由は、「雨に強い革靴の特徴がわかってきた」からです。
雨に強い革靴の見分け方
雨に強い革靴は、大きく3つの点からみていくと良いと思います。
その3つとは、
1.アッパー素材
2.靴の製法
3.ソールの素材
この3つです。
それぞれご説明しますね。
1.アッパー素材
アッパー素材は、大きく3つあります。(スエードは除きますね。)
⓵普通の革
・多くの革靴に使われている一般的な革で、エイジングが楽しめる素材です。
⓶ガラスレザー
・革の表面を樹脂でコーティングしているので、水を弾きます。
非常に雨に強いのですが、入荷性クリームが浸透しづらくエイジングしない、
傷の補修が難しいというデメリットがあります。
⓷オイルドレザー
・革に油分が多く含まれているため、水に強いです。
マットな質感になりますので、ビジネスシューズには採用しづらいですね。
2.靴の製法
靴の製法は、詳細はいろいろあるのですが、大きく分けてメジャーな3つを紹介します。
⓵セメンテッド製法
靴のアッパーとソールを接着剤で固定している製法です。
糸で縫わずに接着剤でつけているので、水に強いなんて言われることもありますが、
私の場合は、接着剤が雨で傷んでソールがパカッとはずれてしまったことが2回もありました。
そして、ソール交換ができませんので使い捨ての靴ということになります。
安めの靴は、ほとんどセメンテッド製法でできています。
経験上、セメンテッド製法の靴は1~2年で買い替えかなぁというイメージです。
⓶マッケイ製法
アッパーとソールを糸で縫い合わせている製法になります。
見た目は、セメンテッド製法とよく似ているのですが、ソールの交換ができるため長持ちします。
私の愛靴ベルルッティ(Berluti)もマッケイ製法ですが、17年経った今でも週1ローテに入っている現役選手です。
マッケイは、軽くて長持ち、デザインもいいといいことづくめで個人的に好きですが、
雨には弱い、弱すぎる。。。
⓷グッドイヤー製法
正式には、グッドイヤーウェルテッド製法と言います。
アッパーとソールを縫い合わせているのですが、
マッケイと異なり、靴の中と貫通していないので雨には強いです。
ウェルトとソールを縫い合わせるので、何度もソールを交換できることが特徴です。
ちょっと靴の重さ自体が重いのですが、とにかくタフという長所があります。
3.ソールの素材
ソールの素材も大きく3つあります。
⓵レザーソール
文字通り革のソールです。
歩き心地、通気性、デザインなど非常に好きなソールなのですが、
水に濡れると硬くなってしまうので、雨の日にはレザーソールはおススメしません。
いや、もっと強く言いたい!履かないでください。
ちなみに、20代前半の私は、この基本的な知識がありませんでしたので、
理由もわからず「雨の日にこの靴履くと、靴下がびしょびしょになるな~」って思ってました。
⓶ハーフラバー
レザーソールにハーフラバーを貼って、雨の日靴にする方がいらっしゃいます。
ハーフラバーの目的は、レザーの減り防止や滑り止めです。
雨の日に履いて、ソールのレザーが濡れてしまうと乾いたときに非常に硬くなってしまいます。
すると、履き心地や快適性が大きく変わり、レザーソールの良さが無くなってしまいます。
ですので、ハーフラバーも雨の日にはおススメしません。
⓷ラバーソール
ラバーでできたソールです。
雨の日のソールでは、このラバーソール一択でしょうね。
【結論】雨の日にはこの靴を履け!
雨に強い革靴ということで、
1.アッパー素材
2.靴の製法
3.ソールの素材
以上3点について見てきました。
それでは、結論をお伝えしますね。
「雨の日はグッドイヤー製法のラバーソールを履け!」
です。
あれ、アッパー素材は?という声が聴こえてきそうです。
はい、私の個人的見解は、革靴はエイジングさせていきたいので、
アッパーは、「クリームやスプレーで撥水加工を施して、それでも雨に濡れたら拭く」という手間を掛けて、エイジングをさせていきたいです。
私のコレクションの中では、
『ジョセフチーニー ケンゴン』
『トリッカーズ バートン』
などが「雨に強い靴」ということになります。
私自身、雨の日を心待ちにしていて、ケンゴンは赤みが抜けた自然体、バートンは昆布のような色味を目指してエイジングしていきたいと考えています。
定期的にそれらのご報告もしていきますね。
みなさまの革靴ライフのご参考になれば幸いです。
それでは、また(@^^)/~~~。